演算子を使ったフィルタ条件の記述方法

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前のページの「フィルタ条件の考え方」でGmailのフィルタにおける条件はどのようなものかについて解説しました。ここでは演算子を使った条件式の記述方法を確認していきます。

宛先、送信元、件名、添付ファイル

まずは送信元や宛先、そして件名に関する演算子です。受信するメールや送信するメールに関しては基本的にこの演算子を使って検索が可能です。

演算子意味
from:Fromに記述された送信元を検索します
to:Toに記述された宛先を検索します
cc:Ccに記述された宛先を検索します
bcc:Bccに記述された宛先を検索します
subject:件名に含まれる文字列を検索します
has:attachment添付ファイル付きのメールを検索します
filename:添付ファイルの名前や種類を検索します
deliveredto:ヘッダのDelivered-Toに記述されたメールアドレスを検索します

fromtoccbccは送信元や宛先からメールを探す場合に使います。完全なメールアドレスを指定して「from:username@example.com」のように記述したり、ドメイン名だけを指定して「to:gmail.com」のように指定ができます。また送信元のメールアドレスが名前付きの「鈴木花子 <username@example.com>」のようになっていた場合は「cc:花子」のように記述することも可能です。

※ bccを使っても自分宛にbccで送信されて受信したメールを検索することはできません。

from:username@example.com
to:gmail.com
cc:花子

subjectは指定した文字列がメールの件名に含まれるメールを探す場合に使います。例えば件名に"報告書"と書かれた件名があるメールを探す場合には「subject:報告書」と記述します。

subject:報告書

has:attachmentは添付ファイルの名前などに関係なく添付ファイルが含まれるメールを探す場合に使います。またfilenameはファイル名の名前や種類を検索する場合に使います。例えば添付ファイル名が"レポート"と書かれた添付ファイルがあるメールを探す場合には「filename:レポート」と記述します。

has:attachment
filename:レポート
filename:.png

deliveredtoは最終的なメール配送先のメールアドレスでメールを探す場合に使います。例えば転送されてきたメールなどは「To」に記述されたアドレスと実際に送信されたアドレスは異なってしまいます。このような場合に実際の送信先アドレスで検索できます。使用する場合はメールアドレスを記述して下さい(ドメイン名だけでは使えませんでした)。

deliveredto:username@example.com
期間

受信や送信したメールの期間に関する演算子です。

演算子意味
after:指定した日付以降に送受信したメールを検索します
before:指定した日付よりも前に送受信したメールを検索します

afterは指定した日付以降に受信または送信したメールを検索します。例えば2011年6月1日以降に送受信したメールを探す場合は「after:2011/06/01」と記述します。この時指定した日付のメールも一致します。つまり今回の場合であれば6月1日に送受信したメールも一致します。

beforeは指定した日付より前に受信または送信したメールを検索します。例えば2011年6月1日より前にに送受信したメールを探す場合は「before:2011/06/01」と記述します。この時指定した日付のメールは一致しません。つまり今回の場合であれば6月1日に送受信したメールは一致しません。

なお日付のフォーマットは yyyy/mm/dd のみで、日本語での日付指定(例えば2011年6月1日)は使用できません。

after:2011/05/01
before:2011/06/01
after:2011/05/01 before:2011/06/01
未読、既読、スター付き

対象となるメールを状態で指定する場合に使用する演算子です。

演算子意味
is:unread未読のメールを検索します
is:read既読のメールを検索します
is:starredスター付きのメールを検索します
is:important重用マークが付いたメールを検索します
label:importantis:importantと同じ

is:unreadは未読のメールだけを、そしてis:readは既読のメールだけを検索します。is:starredはスター付きのメールを検索します。これらの演算子を使い未読のメールだけを選び出してみたり、他の演算子と組み合わせて使用します。

is:unread
is:read from:google.com
is:starred after:2011/05/01

最近追加された重要マークについてもis:importantと記述することで重用マークが付いたメールだけが対象となります。これはlabel:importantと記述しても同じです。

is:important from:一郎

またスターはGmail Labsで用意されていたスーパースター機能が標準で利用可能となった関係で、個別のスターを指定することができるようになりました。

演算子意味演算子意味
has:yellow-staryellow-starhas:red-starred-star
has:orange-starorange-starhas:green-stargreen-star
has:blue-starblue-starhas:purple-starpurple-star
has:red-bangred-banghas:orange-guillemetorange-guillemet
has:yellow-bangyellow-banghas:green-checkgreen-check
has:blue-infoblue-infohas:purple-questionpurple-question

例えばblue-starの目印が付けられたメールだけを対象とする場合は「has:blue-star」と記述します。

has:blue-star
ラベル指定

対象となるメールがどのラベルを付けられているのかを指定する場合に使用する演算子です。

演算子意味
in:inbox[受信トレイ]にあるメールを検索します
in:trash[ゴミ箱]にあるメールを検索します
in:spam[迷惑メール]にあるメールを検索します
in:anywhereGmail にあるすべてのメールを検索します
label:特定のラベルのメールを検索します

特に指定しない場合、対象となるメールは「ゴミ箱」と「迷惑メール」に入っているメールを除いたものが対象です。それに対してin:inboxは「受信トレイ」に入っているメールだけだけを、in:trashは「ゴミ箱」に入っているメールだけを、in:spamは「迷惑メール」に入っているメールだけをを検索します。

「すべのメール」を対象にする場合はin:anywhereを使って下さい。

labelは特定のラベルが追加メールを検索する時に使います。例えば"重要"ラベルが付いたメールだけを対象とする場合は「label:重要」と記述します。

in:inbox from:gmail.com
in:trash before:2011/6/1
in:spam from:hotmail.com
label:重要
その他

上記以外の演算子です。

演算子意味
is:chatチャット メッセージを検索します
list:メーリング リストのメールを検索します
" "フレーズ検索を行います

is:chatはチャットのメッセージを対象として検索します。例えばチャットメッセージの中で「花火」という語句を検索する場合は「is:chat 花火」と記述します。

listはメーリングリストのメールをを対象にします。例えば"xx@googlegroups.com"のメールを対象に検索する場合は「list:xx@googlegroups.com」と記述します。

" "はフレーズ検索です。例えば空白が含まれる文章などをそのまま検索したい場合に「subject:"報告 支社"」などのように記述します。

is:chat 花火
list:xx@googlegroups.com
subject:"報告 支社"
複雑な条件式

条件式を作成する場合に「AかつB」や「AまたはB」、そして「Aではないもの」などより複雑な条件を指定したい場合があります。AND(かつ)、OR(または)、NOT(否定、除外)はそれぞれ次のような演算子が用意されています。

演算子意味
空白A かつ Bの両方に一致するメールを検索します
ORA または Bのいずれかに一致するメールを検索します
-除外キーワードを指定します
( )キーワードをグループ化します

AND(かつ)は複数の条件の両方に一致するものを検索します。半角空白で区切り続けて記述して下さい。例えば「in:inbox from:gmail.com」であれば受信トレイに入っているものでかつ送信元が"gmail.com"のものに一致します。

in:inbox from:gmail.com

OR(または)は複数の条件の少なくともいずれか一つに一致するものを検索します。ORで区切り記述して下さい。なおORは大文字でなければなりませんので注意して下さい。例えば「from:gmail.com OR from:hotmail.com」であれば送信元が"gmail.com"または送信元が"hotmail.com"のものに一致します。

from:gmail.com OR from:hotmail.com

NOT(否定、除外)は否定として「-条件」のように条件ではないものをを検索したり、「条件1 -条件2」のようにANDで組み合わせて特定の条件を除外したいものを検索します。条件の先頭に空白などを開けずに「-」を記述して下さい。例えば「-from:gmail.com」であれば送信元が"gmail.com"ではないものに一致します。

-from:gmail.com
is:read -has:attachment

( )はキーワードをグループ化する場合に使用します。例えば「subject:(報告書 OR レポート)」であれば件名が"報告書"か"レポート"のものに一致します。また「-(from:gmail.com has:attachment)」であれば送信元が"gmail.com"かつ添付ファイルが付いているものの両方を満たすものではないものに一致します。

subject:(報告書 OR レポート)
-(from:gmail.com has:attachment)

ここまでご紹介した演算子、そしてANDやORなどを使用することで目的にあった条件式を作成することができます。

( Written by Tatsuo Ikura )